「ジェームズ・ボンド」(英: James Bond)シリーズは、作家イアン・フレミングが1953年に生み出した架空の英国秘密情報部のエージェントを主人公とする小説群であり、彼は12の小説と2つの短編小説集に登場している。1964年にフレミングが亡くなって以降は、8人の作家がボンドの小説やノベライズを執筆していている。彼が登場する最新の小説は、2018年5月に出版されたアンソニー・ホロヴィッツの『Forever and a Day』。さらに、チャーリー・ヒグソンは若き日のボンドを題材にしたシリーズを書き、ケイト・ウェストブルックはシリーズの準レギュラーであるマネーペニーの日記を題材にした3つの小説を書いた。
ボンドは「007」(ダブルオーセブン)というコードナンバーで知られ、テレビ、ラジオ、コミックストリップ、ビデオゲーム、映画にも登場している。1962年にショーン・コネリーがボンド役を演じた『007は殺しの番号』から始まった映画シリーズは、2021年現在、イーオン・プロダクションズが制作したシリーズとして24作品が製作されている。最新のボンド映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2021年)では、ダニエル・クレイグがイーオン・プロでボンドを演じる6人目の俳優となっている。また、独立プロダクションのボンド映画として『007/カジノ・ロワイヤル』と『ネバーセイ・ネバーアゲイン』の2作がある。2015年、シリーズの興行収入は199億ドルと推定されており、ジェームズ・ボンドは史上最も興行収入の高いメディア・フランチャイズの一つとなっている。
007 ノータイムトゥダイ:起
幼き日のマドレーヌ。雪の中に佇むノルウェーの自宅で、能面をつけた謎の男に襲われ母親の命は無惨にも奪われました。恐怖に震えながら、男に銃を放ったマドレーヌ。射止めたかと思いきや、男は氷上で息を吹き返し、割れた氷から水中に投げ出されたマドレーヌに向かって銃を向けました。しかし銃弾は氷を砕き、男はマドレーヌを助けました。イタリア南部、世界遺産の観光地マテーラ。MI-6を退き、バカンスを楽しむジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)とマドレーヌ(レア・セドゥ)の姿がありました。
ボンドは過去の恋にけじめをつけるべく、明くる朝、ひとりヴェスパーの墓を訪れました。そこで不自然に置かれたカードを見つけたボンド。拾い上げるとそこにはスペクターのマークが。そして次の瞬間、何者かによってしかけられた爆弾が突然爆破。続いてバイクに乗った義眼の男プリモ(ダリ・ベンサーラ)と数台の車で追われるハメに。なんとか逃げ切ったものの、マドレーヌが内通したと思ったボンドは彼女の言い分も聞かず別れを告げて去っていきました。
007 ノータイムトゥダイ:承
5年後。とあるウィルス研究施設から、科学者オブルチェフが特定のウィルスとともに連れ去られてしまいました。これを受けて旧友のCIA諜報員フェリックス(ジェフリー・ライト)が仲間のローガン(ビリー・マグヌッセン)を伴って、ジャマイカの自宅までボンドを訪ねてきました。フェリックスからウィルスの奪還とオブルチェフの救出を依頼されたボンドでしたが、引退を理由にこれを拒否。しかし、このウィルスは触れるだけで感染させることができたり、DNAを指定した人のみ殺すことができる恐ろしい兵器で、オブルチェフはこれを製造する”ヘラクレス計画”に関与していたのです。
さらにボンドは自身の後継者ノーミ(ラシャーナ・リンチ)からこの兵器の裏にはMI-6の部長であるM(レイフ・ファインズ)の存在があることを知らされます。ボンドはキューバに向かい、CIAの新人エージェント、パロマ(アナ・デ・アルマス)と合流。オブルチェフを探しました。潜入したパーティは、MI-6の管理下のもと収監されているはずのスペクターのボスだったプロフェルドの誕生日パーティでした。そこで罠にはめられたことに気付いたボンドとパロマ。照明がボンドを照らしウィルスが放たれたのです。ところが意外な展開が待っていました。ウィルスにより次々倒れたのはスペクターのメンバーたち。オブルチェフは事前にプログラムを変更していたのでした。オブルチェフを連れたボンドは、ボートでフェリックスやローガンと合流しました。しかし、ローガンは裏切り、オブルチェフと共に逃げてしまいます。ボートは爆発、ボンドは命からがら逃げることができましたが、ローガンの弾を受けたフェリックスは爆破された船とともに海底へと沈んでいきました。
007 ノータイムトゥダイ:転
ロンドンに戻ったボンドは、Mと口論になりMI-6をクビになってしまいました。Mは平和を維持するために“ヘラクレス計画”を秘密裏に指示していましたが、それが仇となってしまったのです。マネーペニー(ナオミ・ハリス)はボンドを連れてQ(ベン・ウィショー)のもとを訪れ、日本とロシアの間にある敵のアジトの島を突き止めました。一方、サフィン(ラミ・マレック)はセラピストとなったマドレーヌの目の前に出現し能面を見せると、母親の命を奪ったのは自分だと話しました。さらに自分の家族を殺害したのはマドレーヌの父ミスター・ホワイトでした。マドレーヌはプロフェルドが唯一口を聞く相手だと知ったサフィンは、プロフェルドに感染させるよう脅迫。予定通りマドレーヌは、面会時に同伴したボンドを介してプロフェルドを殺害したのでした。しかしこれで仕事が終わるはずもなく、マドレーヌと彼女の娘マチルドはサフィンに誘拐されアジトに監禁されてしまいます。
007 ノータイムトゥダイの結末
Qのバックアップで、アジトに潜入したボンドとノーミ。島全体に鎮座する鉄の要塞は戦時中のもので、広大な敷地に想像を絶する量のウィルスが培養されていました。厚い防壁に覆われたアジトを中から爆破するだけでは壊滅させることができないことを悟ったボンドは、近海に配備されている英国軍の船からミサイルを発射するようQに提案しますが、国際問題を避けたいMは却下します。
その後、マドレーヌとマチルドを救出したボンドは、ノーミに彼女たちを託し島を脱出させ、自らは防壁を開くべく管制室へと向かいました。向かってくる兵士たちをなぎ倒し、ひとり管制室に入ったボンド。第二次世界大戦時のままのシステムは慎重に操作する必要がありましたが、Qの言葉を無視して手あたり次第スイッチを入れていきます。そして、壁はゆっくり開きました。あとは自らが脱出するだけ。ボンドに押し切られたMも軍ミサイルの発射にゴーサインを出しました。ところが、脱出寸前で再び防壁は閉じてしまいます。管制室に戻り出口を確保することができましたが、サフィンが立ちはだかり、取っ組み合いになりました。激しい乱闘の末、敵を倒したボンドでしたが、サフィンの手には割れた容器に入ったウィルスが握られていました。感染者は触れる者全てを感染させ、死ぬまで続いていく。
Qの言葉に絶望を抱いたボンド。間もなくミサイルが着弾しようとしていました。脱出に成功したノーミを通じ、最後にマドレーヌと会話を交わしたボンド。「マチルドの目は自分と同じ青色」そう話したボンドに幾重ものミサイルが降り注ぎました。MI-6本部の一室にて、テープルに置かれた1つのウィスキーグラスをメンバーたちが囲んでいました。それぞれが手にしたグラスを上げ言います。「ボンドに乾杯」